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職場でのコミュニケーションが苦手な人必見!克服する方法をご紹介

職場で話し合っている女性2名
womenswellbeing

職場のコミュニケーション問題で悩んでいる人は少なくありません。仕事では上司、先輩、部下、同僚にさまざまな情報を伝えなければならず、その中には伝えにくいこともあります。コミュニケーションが苦手と感じている人は、ネガティブな情報をどのように伝えればいいか悩んでいる人がたくさんいます。本記事では、伝えにくいことを上手に伝えるコツをご紹介します。

職場のコミュニケーションが苦手な理由

「コミュニケーションが苦手」といっても、色々なパターンがあります。

例えば、

「自分の意見を主張するのが苦手」
「お願い事をするのが苦手」
「誰かを注意するのが苦手」
「断るのが苦手」

など、「苦手」は多岐にわたります。しかし、これらには「伝えにくいことを伝えるのが苦手」という共通点があります。それでは、なぜ苦手だと思ってしまうのか?

コミュニケーションが苦手な理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、あなたが相手のことを優先し、自分のことを後回しにしているからです。自分の発言が相手を困らせてしまうのではないか?相手を傷つけてしまうのではないか?という考えや感情がコミュニケーションに対して苦手意識を生んでしまっています。

2つ目は、あなたが自分のことだけ優先し、相手のことをあまり考えていないからです。実は悪気がないパターンが多いのですが、自分の発言で相手を傷つけてしまったり、怒らせてしまったりします。相手からのネガティブな反応を受けて、コミュニケーションが苦手だと感じる人は少なくありません。

コミュニケーションが苦手を克服する方法

EQUALと書かれた木のブロック

コミュニケーションが苦手な理由を自分の性格だと思っている人が多いのですが、実はコミュニケーションの良し悪しは性格によって決まるものではありません。伝え方のスキルを磨くことで、克服できます。

コミュニケーション方法を変える上で役立つ考え方が「アサーティブ」です。アサーティブとは、直訳すると「自己主張すること」という意味になります。アサーティブにおける自己主張とは、一方的に自分の意見を言うことではなく、相手を尊重しながら適切な表現、態度で自己主張することを指します。

アサーティブの考え方を用いてコミュニケーション能力を向上させるためには、自分自身のコミュニケーション・タイプを知っておく必要があります。

職場での3つのコミュニケーション・タイプ

コーヒーを飲みながら向かい合って話す男女

ここでは、コミュニケーションに問題を起こしやすい3つのタイプをご紹介します。わかりやすくするために大げさに特徴を説明していますが、なんとなく思い当たる節がある場合はぜひ改善のヒントを参考にしてください。

タイプ1:受け身的タイプ

受け身タイプとは、相手の気持ちを考えすぎて、自分の伝えたいことを伝えられないコミュニケーション・タイプです。相手との関係悪化を恐れて、気が進まないことに対してもノーと言えない傾向があります。また、問題が起きるとすぐに自分を責めてしまいます。

【改善のヒント】

相手のことを気にしすぎて我慢ばかりしてしまうと、いつかストレスが爆発してしまいます。自分自身の意見も尊重することも大切です。勇気を出して自分の意見や気持ちを相手に伝えてみましょう。

タイプ2:攻撃的タイプ

攻撃的タイプとは、自分の立場を優先して、相手の状況や気持ちなどに配慮しない、一方的に自己主張するコミュニケーション・タイプです。対立しそうな場面においては、腹を立てやすい傾向にあります。言い方がきつく、相手を萎縮させたり、相手から疎まれたりすることがあります。

【改善のヒント】

怒りの感情をコントロールし、相手のことを一方的に責めないようにしましょう。コミュニケーションの際は否定から入るのではなく、相手の立場も配慮しましょう。また、自分の主張を通すことではなく、問題を解決することに焦点をあてると、相手もあなたに対して友好的になります。

タイプ3:作為的タイプ

作為的なタイプとは、言いたいことを態度や雰囲気で示すコミュニケーション・タイプです。陰口を言うこともあります。また、「Cさんが〇〇と言っていたから」や「余裕がある人はいいよな〜」と遠回しに自分の主張を伝えてくる傾向があります。そのため、周囲からは面倒な人と思われることがあります。

【改善のヒント】

コミュニケーションを取る際に「本当に伝えたいのは…」と心の中でつぶやいてから発言することで、遠回しに物事を伝えるくせの改善を図れます。素直に自分の意見を伝えるように心がけましょう。

【シーン別】職場でのコミュニケーションのコツ

資料を広げながら打ち合わせをする女性2名

アサーティブなコミュニケーションとは、自分中心でも、相手中心でもありません。「誠実」「率直」「対等」「自己責任」にもとづき、対等な関係でコミュニケーションを取ることを指します。

ポイントは、「目の前で起きている問題」をコミュニケーションの問題として捉え、起きている問題の解決方法について考えながら対話することです。

【コミュニケーションを支える4つの柱】

  • 誠実:自分自身に正直になることで、相手にも誠実になれる
  • 率直:遠回しではなくストレートに、相手に“伝わる”言葉にする
  • 対等:上から目線でも卑屈でもなく。態度も心の中も対等に向き合う
  • 自己責任:言った責任、言わなかった責任は、自分が引き受ける

※出典:特定非営利活動法人アサーティブジャパン ウェブサイト

お願い事をするときのコツ

1. お願いしたいことを具体的に伝える

「困ったことがあればいつでも相談してね」「進捗を報告してね」と、部下や同僚に対して言ったことはありませんか?この言葉の真意は「早めに相談して欲しい」「進捗をマメに報告して欲しい」では無いでしょうか?

相手にプレッシャーを与えたくないなどの理由で、要望を抽象的に伝えてしまうと、相手は自分が意図した行動をとってくれない可能性が上がります。行動に移してもらうためには、要望をはっきり伝える必要があります。

例えば、「プロジェクト全体の状況を把握したいから、毎週月曜日の10時に口頭でいいから進捗について報告してくれないだろうか」と伝えると、相手も何をしなくてはならないのか理解し、行動に移してくれるようになります。

2. 相手の立場について考える

お願いごとをする際は、相手の立場について考えます。そして、その考えをコミュニケーションの中にメッセージとして含めていきます。

例えば、「Aさんにお願いしたいことがあるのだけど、他の業務の状況はどうですか?状況を教えてくれるかな?」などと、相手の言い分に耳を傾ける姿勢を言葉で伝えます。

そうすることで、対等な関係で対話をはじめやすくなります。上下関係があるときだけではなく、他部門や他社と仕事をする際にも意識するといいでしょう。

耳の痛いことを伝えるときのコツ

1. 否定から入らない

仕事では、部下や後輩に注意や指導をしなければならない場面があります。しかし、注意の仕方によって相手のモチベーションを下げたり、関係性を悪くしたりする恐れがあります。

注意や指導をする際は2つの目的を達成できるようにコミュニケーション方法を考えます。1つ目の目標は、こちらの主張を理解してもらい、お互いにとって何らかの解決につながること。2つ目の目標は、注意や指導によって信頼関係を築くことです。

「そんなやり方ではダメ」「成果が出ていないけど、どういうこと」という否定からコミュニケーションを始めるのではなく、「いま取り組んでもらっている業務はなかなかハードだよね」など、相手の状況やがんばりを認めるところからコミュニケーションをはじめましょう。

2. 自分の責任についても考える

注意や指導をするとき、なぜ問題が起こってしまっているか考えます。その際、相手の責任だけではなく、自分にも責任がなかったか考えましょう。自分にも何かしら責任がある場合は、コミュニケーションの中に含めます。

この場合、「もっと細かく業務内容の説明すればよかったね」「悩んでいたことに気がつかなくてごめんなさい」などの発言が考えられます。自分自身の責任も相手に伝えることで、対等な関係を築くことができ、コミュニケーションがうまくいきやすくなります。

「ノー」と断るときのコツ

1. 何に対して「ノー」なのか明確にする

頼まれたことを何でも引き受けていると、業務量が増えて大変になるだけではなく、仕事の質も落ちてしまいます。そのため、「ノー」と言う勇気も必要です。ただし、お断りする際には伝え方に注意が必要です。

お断りをするときは、なぜお断りをしなければならないのか、理由を説明しましょう。そして代替案があれば提示します。ただ断るだけではなく、自分のことも相手のことも尊重した答えを模索する姿勢をみせるといいでしょう。

2. いきなり「ノー」と伝えない

結果的に断ることになるとしても、「ムリです」「できません」と攻撃的に断るのはよくありません。これでは、相手をばっさり否定することになってしまいます。

相手がなぜ自分に仕事を頼んできているのか、なぜ誘ってきているのかを考え、相手の気持ちを受け止めてみましょう。そうすることで、断る際に「お気持ちは嬉しいのですが」など配慮の言葉が生まれてきます。

職場でのコミュニケーションは改善できる

楽しそうに打ち合わせをしている女性

自分中心でも、相手中心でもない。対等な関係を目指すことで、コミュニケーションは変えられます。アサーティブな考え方である、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」を意識して、コミュニケーション能力を向上させていきましょう。

ABOUT ME
Aya.H
Aya.H
Women's Well-being Editor
「Women's Well-being」の編集長。国内外のIT企業に10年以上勤務。30代前半でメンタル不調を経験し、ウェルビーイングな働き方を模索するように。全米ヨガアライアンス認定ヨガ講師(RYT500)、Hale Pule アーユルヴェーダ・シェフ・トレーニング修了など、心と身体を整えるための資格を保有。
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